NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)〈予約制〉
NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)とは
母体の血液中に含まれる胎児のDNA断片を分析することで、胎児が染色体疾患を持つ可能性が高いか低いかを調べる検査です。胎児の染色体疾患を確定する検査(確定的検査)ではありません。
確定的検査は、羊水検査で約1/300、絨毛検査で約1/100の確率で、流産や死産のリスクが存在します。これに対し、NIPTは採血のみで検査ができるため、直接的な流産・死産のリスクがありません。
出展元:胎児生命科学センター
*当院では米国ナテラ社のSNP(スニップ:一塩基多型)解析に基づくPanoramaテストを採用しています。ほかの方法に比べ、陽性的中率が高く、かつ早期(妊娠9週)に検査が可能であることが特徴です。
13トリソミー | 18トリソミー | 21トリソミー | |
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陽性的中率(検査結果が陽性の場合に実際に異常である確率) | 68% | 91% | 95% |
陰性的中率(検査結果が陰性の場合に実際に正常である確率) | >99.99% | >99.99% | >99.99% |
染色体疾患とは
赤ちゃんの3~5%は、何らかの先天性疾患(生まれつきの病気)を持って生まれます。そのうちの25%が染色体の変化による染色体疾患です。
染色体は通常2本ずつですが、いずれかの染色体が1本多く3本になっている状態をトリソミー、1本しかない状態をモノソミーといいます。ほとんどは流産となりますが、出生に至るものもあります。生まれてくる赤ちゃんで一番多いのが21トリソミー(ダウン症候群)で、次に多いのが18トリソミー、13トリソミーです。
対象者
妊娠9週0日から14週6日までの、当院で妊婦健診をされる方のみとさせていただいています。
- 高年齢妊娠の方(分娩予定日の時点で35才以上)
- 染色体疾患児を妊娠したことがある方
上記以外の方でも検査は可能です。ご相談ください。
次の方はNIPTが受けられません。
- 三つ子以上の多胎妊娠の方
- 骨髄移植を受けたことがある方
検査の流れ
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遺伝カウンセリングを行います。
- 当院で出生前検査を希望される方には必ず事前に遺伝カウンセリングを受けていただいています。
認定遺伝カウンセラーが、科学的根拠に基づく医学的情報をわかりやすくお伝えし、理解していただけるようにお手伝いいたします。その上で、十分にお話をうかがいながら、心理面や社会面も含めた支援を行います。
認定遺伝カウンセラーは、一般社団法人日本人類遺伝学会および一般社団法人日本遺伝カウンセリング学会の登録商標です(登録6115393)。 - 分娩予定日が決定してからご予約ください。
- 院内で行う対面の遺伝カウンセリングと、ご自宅などでも受けられるオンラインの遺伝カウンセリング、いずれかをお選びいただけます。
- なるべくご夫婦(もしくはパートナーと)で参加してください。
カウンセリング項目 予約方法 対面での遺伝カウンセリング 予約システムから
遺伝カウンセリング → 出生前検査について → NIPTオンラインでの遺伝カウンセリング
「出生前検査ホットライン」詳細やご予約はこちらをご確認ください - 当院で出生前検査を希望される方には必ず事前に遺伝カウンセリングを受けていただいています。
認定遺伝カウンセラーが、科学的根拠に基づく医学的情報をわかりやすくお伝えし、理解していただけるようにお手伝いいたします。その上で、十分にお話をうかがいながら、心理面や社会面も含めた支援を行います。
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NIPT外来で、臨床遺伝専門医もしくは日本産科婦人科遺伝診療学会の認定医より再度お話しをします。
- 予約システムから、産科→NIPT外来 → NIPT診察 で予約してください。
- 採血にはご夫婦(もしくはパートナーと)のサインが必要です。ご一緒に来院された場合は、その場で同意書にサインをし、即日採血をしていただけます。
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採血をします。約20mlの血液を採取します。
- 木曜日の午後~日曜日・祝前日は輸送の問題があって採血ができません。
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NIPT外来と別日に採血をする場合は、予約システムで 産科 → 産科診察 当日 → NIPT採血で予約をしてください。
NIPT外来と同時に採血をする場合は、NIPT採血の予約を取得する必要ありません。
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2週間ほどで結果が出ます。
- 結果が出る頃にお電話をしていただき、結果が出ていれば検査後遺伝カウンセリングの予約を取ります。
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検査後遺伝カウンセリングで結果をお話しします。
- 臨床遺伝専門医もしくは日本産科婦人科遺伝診療学会の認定医とお話ししていただき、今後について相談します。
検査後の対応について
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NIPTは胎児の染色体疾患を確定する検査ではありません。結果が高リスク(陽性)と出た場合には、確定診断のための検査(羊水検査など)が必要になります。
当院では、陽性時の羊水検査代も含まれた料金となっております
- 羊水検査は妊娠16週以降に行われ、結果がおよそ2週間後に出るため、確定診断までには時間がかかります。
- 検査後も、病院全体で支援を続けていきます。
- ご要望があれば、出生前コンサルト小児科医と面談ができます。
- 認定遺伝カウンセラーとの面談や、サポートを受けられる行政の窓口や民間団体の紹介も可能です。ご相談ください
Q&A
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母体に対しての危険性はまったくないのでしょうか?
NIPTは妊婦さんの採血で行います。そのため、検査による直接的な流産の危険性はありません。
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「結果保留」となる場合があると聞きましたが、それはどのような場合でしょうか?
「結果保留」の場合、母体血液中に含まれる胎児由来DNAの濃度が低いことが理由の一つとして考えられます。「結果保留」となった場合、再検査、あるいは羊水検査の実施が可能です。
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判定された検査結果を確認するために、再検査を行うことは可能でしょうか?
「低リスク」または「高リスク」と判定された結果を再確認することは意味がないとされているため、再検査は行いません。
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同意したあとでも撤回できますか?
同意したあとでも撤回、変更することが可能です。お申し出はいつでも受け付けています。
*その他おわかりにならないことがあれば、遠慮なく医師にご相談ください。