永井マザーズホスピタル

栄養科ブログ

栄養にまつわるさまざまなこと、お料理や食事について、私たち管理栄養士や調理師にお気軽におたずねください。
私たちは「食」を通じて、当院を訪れる皆さまの健康や幸せ作りのお手伝いができればと思っております。

2019年12月20日の記事

牛乳で血糖値低下?!

タイトルのようなニュースが報じられたのは

昨年の夏です。

朝ごはんにシリアルだけでなく牛乳を一緒に摂取した方が

1日を通じて血糖値コントロールが有効であるとのこと。

Effect of milk protein intake and casein-to-whey ratio in breakfast meals on postprandial glucose, satiety ratings, and subsequent meal intake(Journal of Dairy Science 2018年8月19日)

カナダのゲルフ人間大学・機能性食品研究ユニットと

トロント大学が共同で行った研究報告です。

対象者は健康な平均23歳で平均BMI22の若者32人。

実験は朝食に

シリアル+水

シリアル+脱脂粉乳

シリアル+牛乳

シリアル+高タンパク乳(カゼイン80:ホエイ20)

シリアル+高タンパク乳(カゼイン40:ホエイ60)

をとってもらい食後血糖値を比較しています。

もちろん より高タンパクの方が食後血糖が上昇しにくいという結果でした。

なぜ 牛乳か?

→ たんぱく質を含んでいるから。

   そしてきっと多くヒトが簡便に摂取できるから。

   またこの論文ではタンパク質の質を追求していました。

ここで疑問を持たれた方も多いはずです。

健康な若者では、高タンパクな食事であれば「牛乳」であっても

(通常より高タンパクの牛乳があればなおよい)

食後血糖値を下げるかもしれません。

けれど

血糖値がすでに上昇しやすい中年期以降の方や

妊娠糖尿病、まして糖尿病の方には

牛乳に含まれる糖質が影響してむしろ高血糖になります。

またたんぱく質性の食品をとるならば、

プロテインスコアの高い卵やお肉の方が

もっと効率的なはずです。

この論文にも

主食と果物のような糖質ばかりの食生活に懸念することが記載されています。

毎食 そこに必ずたんぱく質をとる必要あるのですが、

それがヨーグルトやチーズや牛乳だけでなく

ぜひ 良質なたんぱく質を!と願うわたしたち。

乳製品では、鉄や亜鉛はとりにくいです。

大きな栄養素ばかりに注目せず、微量栄養素を大事にしましょう♪

特に”妊婦さんは大事な体”ですよ~!

この研究者には、申し訳ないのですが

日本人の食生活レベルはもっと高いはずです。

だから

『脱・シリアル+牛乳 モーニング』でいきましょう♪

写真は我が家の朝ごはん 卵ピザにトマトとカリカリベーコンとバジルのトッピングです。

卵はもちろん ひとり2つですよ~(*^^)v

matsumoto